翻訳クイズ#28
暑い日が続きますね。先日、昼過ぎに買い物のため外に出たところ、めまいがするほどの暑さに軽く生命の危機を覚えました。なんとかお店まで行って帰ってきたときには、ちょっとした冒険を終えたような、「生還したぞ!」というような気持ちになりました。夏が終わるまでに、あと何度こんな冒険に出ることになるのでしょう。考えただけで、汗ばんできました。
さて、次の訳文(英日)から、修正すべき点を見つけてください。
問題文
原文:To be eligible for this trial, patients must test positive for specific mutations specified in the section below. Pre-screening consent shall be obtained if a potential subject undergoes genetic testing before they sign the informed consent form and undergo formal screening.
訳文:本試験に参加するためには、後述する変異を有することが検査で確認されていなければならない。被験者候補が同意文書に署名して正式なスクリーニングを受ける前に遺伝子検査を行う場合、スクリーニング前の同意を取得するものとする。
解説
いかがでしょうか。修正してほしかった点は以下のとおりです。
修正例:本試験に参加するためには、後述する変異を有することが検査で確認されていなければならない。被験者候補が同意文書に署名して正式なスクリーニングを受ける前に遺伝子検査を行う場合、プレスクリーニングの同意を取得するものとする。
当初の訳文ではpre-screeningが「スクリーニング前の」とされていましたが、これは「プレスクリーニング」が適訳です。スクリーニングを行う前に、その臨床試験に参加する上で特に重要な条件への適合性を確認するためのプロセスを「プレスクリーニングpre-screening」といいます。「本番」のスクリーニングにおける包括的な評価に先立ち、必須の要件を確認することでスクリーニング脱落screening failureが減るため、患者さんの負担が小さくなるとともに、治験依頼者や実施医療機関のリソース(時間、費用)を節約できます。
近年の臨床試験では、標的疾患を有する患者さんのうち、特定の遺伝子変異を有する患者さんのみを対象として、その集団に対して効果的な治療法を検討することが増えており、今回の例文のように(スクリーニングではなく)プレスクリーニングで遺伝子検査を行うことが増えています。
なお、例文ではpre-screeningとハイフンを含む表記を用いましたが、ハイフンを含まないprescreeningというつづりも一般的です(体感的には4:6くらいで、ややハイフンなしが多いでしょうか)。名詞の場合、その言葉が一般的になるほど、接頭辞の後ろのハイフンが省略される傾向があるので、名詞としてのpre-screeningというつづりは、将来的にはあまり目にしなくなるかもしれませんね。
今回の内容が、皆様の翻訳の際にお役に立てば幸いです。ご覧いただきありがとうございました。
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