助動詞“must”と“should”の区別
義務を意味する助動詞として“must”や“should”を目にする機会は多いと思いますが、皆さんは翻訳する際にこれらのニュアンスの違いを意識されているでしょうか。
例えば、治験実施計画書では医師に対する指示事項として“must”や“should”を用いた文言が高い頻度で使用されますが、“must”と“should”を両方とも「~しなければならない」、「~する必要がある」とせずに、きちんと訳し分けしたいところです。
“must”は強制の度合いが強く、「絶対に~しなければならない」というニュアンスを持ちます。辞書どおり「~しなければならない」、「~する必要がある」として問題ありません。
一方で、“should”は“must”よりも強制の度合いが弱く、提案や推奨、要請に近い意味であるため、“must”と同じ「~しなければならない」、「~する必要がある」とはせず、「〜する」、「〜すること」などとすれば義務のニュアンスを出しつつ、“must”と訳し分けることができます。
(例文)
“Investigators must obtain the signed ICF from patients prior to conducting any study-related procedures.”
治験責任医師は、試験に関連する手順の実施に先立ち、患者から同意書への署名を得なければならない。
“Informed consent should be recorded on the eCRF.”
同意取得の過程をeCRFに記録すること。(×記録しなければならない)
これまで何となく処理していたという方はこの機会に意識してみてください。
最後までお読みいただき有難うございました。
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