営業担当は翻訳者のここを見ている!

翻訳会社の「中の人」

今回は、営業担当の視点から「どんな翻訳者が現場で信頼され、繰り返し声がかかるのか」について、リアルなエピソードを交えながらご紹介したいと思います。

急な案件が入ったとき、声をかけるのは誰?

営業の仕事では、想定外の案件が飛び込んでくることは珍しくありません。治験の進捗や承認スケジュールの影響で、「至急お願いをしたいのですが…」という依頼が舞い込むことがよくあります。

たとえば先日クライアントから、「IB(治験薬概要書)の約180ページの翻訳を『2週間程度』で納品してほしい」という緊急案件がありました。チーム内では一瞬ざわつきましたし、私もこれは『さすがに無理かも…』と思いましたが、なるべくクライアントの希望に応えたいと思い翻訳者さんのスケジュールを見漁りました。
私が真っ先に頭に思い浮かべたのは、過去にもタイトなスケジュールを丁寧にこなしてくださった翻訳者さん3名です。その3名に状況を説明したところ、「可能な限り対応します!」と即答。

結果として、訳文を納品いただき、クライアントからも「とても助かった!」と喜びの言葉をいただきました。

このようないざという時に頼れる人は、営業担当にとってはまさに「救世主」です!
一度でもこのような信頼関係が築けると、他の案件でも真っ先に相談したいと思うようになります。

クライアントからの修正指示にも、柔軟に対応できる方

翻訳の品質はもちろん重要です。ですが、それと同じくらい大事なのが、「納品後のフォロー対応」です。
実際に、営業担当がクライアントから受け取るフィードバックの中には、用語選択や訳し方に対する細かな修正指示が含まれることもあります。

以前、あるクライアントから翻訳において、納品後に様々なフィードバック(修正依頼)がありました。
この案件を担当した翻訳者さん・校正さんはすぐに修正依頼に対応し、修正版を送付してくれました。
その対応の速さと丁寧さに感動したクライアントは、「ぜひ次も同じ方でお願いしたい!」と仰っていました。
結果、そのクライアントからは継続的にご依頼をいただいています。

こういった「クライアントからのフィードバック(修正依頼)」が来たときに、翻訳者さんによっては「自分の翻訳の方が正しい」と主張されて対応を拒まれることもあるのですが、だからこそ、クライアントの意図を汲んで柔軟に対応できる翻訳者さんは、営業担当にとって非常にありがたい存在です。

社内で共有されている「信頼できる翻訳者リスト」

営業チーム内では、実は信頼できる翻訳者を社内で共有することが良くあります。
これは正式な帳票ではないものの、社内チャットや会議などで以下のような情報が頻繁に共有されています。

●「Aさんの翻訳、今回すごく良かったと校正さんからフィードバックがあったよ。」

●「急ぎ案件、Bさんにお願いしたら即レス&高品質で助かった。」

●「Cさん、CATツール使いこなしてて助かる。」

こうした情報が自然に積み重なることで、『この人は安心して任せられる』という評価が社内に定着していきます。

このようなリストは、翻訳者選定の判断基準として重宝されます。
一方で、レスポンスが遅かったり、対応が雑だったりした場合は、残念ながら声がかかりにくくなっていく傾向もあるのが現実です。

まとめ

ここまでの話をまとめると、営業担当が「またお願いしたい」と思う翻訳者には、以下のような共通点があります

●急な案件にも対応できる柔軟性やホスピタリティ

●納品後の修正にも冷静に、丁寧に対応してくれる姿勢

●なにかしらの「強み」を持っている

翻訳の仕事は、翻訳力や専門知識だけでなく、人と人との信頼で成り立っている仕事でもあります。だからこそ、こうした日々のやりとりの積み重ねが、次の仕事につながっていくと私は感じています。

営業担当と翻訳者は、決して「発注側」と「受注側」という関係だけではなく、同じ目標(=クライアントの満足)に向かうパートナーです。一緒に案件を成功させていくためにも、私たち営業担当は、これからも信頼できる翻訳者の方々と強い連携を築いていきたいと考えています。

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