長く付き合える翻訳者さんの特徴(営業目線)
翻訳会社の営業をしていると、数多くの翻訳者さんたちと日々やり取りをします。10年以上お付き合いが続く翻訳者さんもいれば、残念ながら数回の依頼でお付き合いが終わってしまう翻訳者さんいます。
では、営業職が「長期的にお願いしたい」と思える翻訳者さんには、どんな共通点があるのでしょうか。あくまで「営業目線」ではありますが、今回の記事では、その特徴をまとめてみました。
「翻訳依頼の意図」を理解している
長く付き合っている翻訳者さんほど、MTSが説明しなくても「案件の目的」や「クライアントが求める水準」を理解しています。そのため、コミュニケーションが円滑です。
たとえば、
「このクライアントはレビューが細かいから、用語統一には気をつけよう。」
「初版文書だから文体がブレないようにしなければ(改版のときに大変になるので)。」
などの目線を持ってる翻訳者さんには、営業は「この方に任せておけば安心だ!」と感じます。
単に訳文が正しいだけでなく、依頼の意図に合ったアウトプットをしてくれる翻訳者さんへの依頼は自然と増えていきます。
無理なときは「早めにNO」と言ってくれる
意外かもしれませんが、長期的に関係が続く翻訳者さんは「断り上手」です。
納期が厳しい、専門性が合わない、別案件と重なっているなど、引き受けられない状況は誰にでもあります。その理由を誠実かつシンプルに伝えてくださる翻訳者さんに対しては、『別の機会にまた依頼させていただこう』という気持ちになります。
逆に、関係が続かなくなる原因の多くが「引き受けたあとに納期の延長リクエストが多発する」「途中で案件を辞退する」「音信不通になる」などのトラブルです。
長く付き合える翻訳者さんは、
• 辞退する理由を簡潔に伝える
• 代替案(作業可能な日時や推薦分野)を提示する
• ご自身の専用分野を丁寧に伝える
などの配慮をしてくれます。
結果として、「次にお願いしやすく」なり、関係が続いていきます。
ルールを遵守した上で「工夫」できる
長期的に依頼する翻訳者さんは、ただルール(スタイルガイド・参考資料・クライアント指示など)に従うだけでなく、よりよい訳文のために「工夫する力」があります。
たとえば、
• 不明確な指示を「この意図でよいか」と確認する
• 重要な用語に対して「複数の翻訳案」を提案する
• 「この表現だと読み手に誤解が生じそうです」と問題点を指摘する
申し送り事項などでこうした提案ができる翻訳者さんは、営業だけでなくクライアントからの信頼も厚くなり、結果的にクライアントからの指名も増えていきます。
細かな配慮ができる
長く付き合える翻訳者さんは、「細かな配慮」できる方が多いです。
• 依頼通りにファイル名を揃える
• 納品時に簡潔なメモを添える
• 気になる箇所はコメントで明示する
• 納期より少し早めに納品してくれる
こうした小さな配慮の積み重ねが、翻訳会社やクライアントからの信頼につながります。
営業は『クライアントとのトラブルを避けたい』という気持ちが強いため、トラブルの原因になりそうな細かい点にまで配慮してくれる翻訳者さんは、営業にとって心強い存在です。
変化に対応できる
今の翻訳業界は、案件の種類が数年前とは比べものにならないほど変化しています。クライアントが「独自のツール」を使用することも増えています。
長く関係が続く翻訳者さんは、
• CATツール
• QAツール
• MTPEのトレンド
などに対して非常に柔軟です。
「絶対にこのやり方じゃないと無理です」
という翻訳者さんよりも、
「やったことはないけれど、確認の上で対応可能です」
と言ってくれる翻訳者さんに、自然とお仕事が集中していきます。
■おわりに
今回は「長く付き合える翻訳者さんの特徴(営業目線)」というテーマで書かさえていただきました。
営業は、常に「安心して任せられる翻訳者さん」を探しています。
訳文の質はもちろん重要ですが、営業職にとってはそれ以上に、
• 納期の遵守
• 小さな気遣い
• 提案力
• 翻訳業界の変化への対応
などといった点が、実は重要です。
「クライアント目線」を持っている翻訳者さんは、翻訳会社の営業職にとって心強い存在です。MTSではそういった翻訳者さんを常に求めていますので、これからもたくさんの良いご縁があることを願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
オンラインストアにて添削講座や動画学習サービスを販売中です!
▼医療翻訳学習者向けオンラインストア(M.O.S.)
https://m-t-s.stores.jp/
▼通信添削講座
https://tensaku.m-t-s.jp/
▼動画学習サービス
https://douga.m-t-s.jp








-100x100.png)
