どちらを使う? “conduct” or “perform”

医療翻訳用語の基礎

今回は、“conduct”と“perform”というよく似た動詞の使い方について解説していきます。

早速ですが、まずはこちらの例文をご確認下さい。

【例文1】
This study was conducted in accordance with the Good Clinical Practice (GCP)guidelines.
この試験は、医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)のガイドラインに従い実施された。

【例文2】
A liver biopsy was performed during the hospitalization.
入院中に肝生検を行った

2つの単語の違いが分かりましたでしょうか?

臨床試験や研究などを「実施する」というときは、動詞“conduct”がよく使われます。“perform”も「実施する」「行う」という意味ですが、“conduct”が臨床試験や研究など規模の大きいものに使われるのに対し、“perform”は「検査」や「アンケート」などより小規模なものに使用されます。このほかにも、”undergo”(The patient underwent open-heart surgery.)や“administer”(An online survey was administered.)なども主語によっては使用できますので、主語と組み合わせて覚えておくと便利です。

それでは“conduct”と“perform”を使って英訳にチャレンジしてみましょう!

  1. この試験はA薬の安全性を評価するため実施された。
  2. 二重盲険無作為化試験を実施した。
  3. 血液検査はすべて当院で実施した。
  4. この統計解析は分散分析法を用いて行った。

複雑な文章ではありませんが、どちらの単語を使うべきか少し悩んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか?では解答例です。

  1. This study was conducted to evaluate the safety of Drug A.
  2. A double-blind randomized study was conducted.
  3. All blood tests were performed at our hospital.
  4. This statistical analysis was performed using analysis of variance.

いかがでしょうか?適切に単語を使い分けることで英訳の精度がぐんと高くなりますね。

現役翻訳者さんはもちろん、これから翻訳会社のトライアル受験を検討されている方や、趣味で翻訳をされている方、少しでも翻訳に興味がある方に「なるほど!」と思っていただけるような情報を今後も発信させていただきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。