翻訳クイズ#11

医療翻訳クイズ,未分類

こんにちは
海外製の製品の説明書を読んでいると、「である」調と「ですます」調が混在していたり、「各部の名称」に記載がない部品名が出てきたりとつっこみどころが満載で、「翻訳(orチェック)を依頼してくれればな」と思うことがあります。みなさんも多かれ少なかれ、同じような経験をされているのではないでしょうか。
さて、本日は「翻訳クイズ」です。次の対訳文から修正すべき点を見つけてくださいね。

■問題文

原文:ABCハンドピースは湿気を避けて保管してください。詳細な保管条件については取扱説明書をご確認ください。本品は、DEFジェネレータとともに使用します。

訳文:Store the ABC handpiece in a dry place. Please confirm the IFU for additional information on storage conditions. The handpiece is designed for use with the DEF generator.
 
 






■解説

いかがだったでしょうか。
修正していただきたかったのは、以下の下線部です。
 
修正例:Store the ABC handpiece in a dry place. Please refer to the IFU for additional information on storage conditions. The handpiece is designed for use with the DEF generator.
 
動詞confirmが「確認する」であることは間違いありませんが、より掘り下げると、それはverifyなどと同じく「確かめる」という趣旨での「確認する」です。

[例文]
The present study confirmed the safety of the drug.
本試験により本剤の安全性が確認された(=安全性が確かめられた)。
 
一方で、この問題文での「確認」は、「文書等を参照する、情報を把握する」という意味であり、これはconfirmの語義ではありません。問題文を修正せずに読もうとすると、
Please confirm the IFU for additional information on storage conditions
取扱説明書に記載されている詳細な保管条件に間違いがないか確認してください。

といった意味合いになります。「参照する」の意味での「確認」には、修正例のrefer toやsee、consultなどが適訳となります。

問題文とは少し内容を変えて
原文:本品の使用に先立ち取扱説明書を確認してください。
であれば
訳文:Read the IFU before use of the device.
となります。
 
このように、英語と日本語は対応しているようで対応していない、ということが少なからずあるので、一つ一つの単語の語義を掘り下げて身につけることが肝心です。
 
「ここを詳しく知りたい」「ここも修正できるよ」など、ご質問やご指摘がありましたらコメントにてお知らせください。
 
今回の内容が、皆様の翻訳の際にお役に立てば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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