副詞「most」の使い方
今回は、最上級・強調の意味で用いられる副詞mostについてです。
Mostは、most of patients[患者のほとんど(名詞)]やmost hospitals[たいていの病院(形容詞)]のように、副詞以外の品詞として用いられることもありますが、今回は割愛します。
「most」の使い方
副詞のmostには大きくわけて①最上級(最も)と②強調(とても、非常に)の意味があります。見分ける基準の一つとして、最上級の場合は定冠詞が必要で(程度が最も高いものは一つしかないためtheが付く)、強調の場合は基本的に定冠詞を用いないということがあげられます。
最上級:This is the most important problem→これが最も重要な問題である
強調:This is a most important problem→これはとても重要な問題である
では、次の例文中のmostはどのように処理すべきでしょうか。
例文は、治験薬概要書などでよくみられる、ある薬剤で認められた有害事象を説明する一文です。
例文と訳例
■例文
The most frequently (>20% of subjects) reported TEAEs were stomatitis (25 [41.7%] subjects), nausea (23 [38.3%] subjects), fatigue (16 [26.7%] subjects), anaemia (15 [25.0%]), decreased appetite (15 [25.0%]), and constipation (12 [20.0%]).
■訳例
最も(???)高頻度(被験者の20%超)に報告されたTEAEは口内炎(25名[41.7%])、悪心(23名[38.3%])、疲労(16名[26.7%])、貧血(15名[25.0%])、食欲減退(15名[25.0%])及び便秘(12名[20.0%])であった。
例文中のThe most frequentlyは、定冠詞が付いていることからも最上級と判断しそうになりますが、文全体を見てみると、口内炎や悪心など発現率の異なる事象が複数列挙されているなか「最も」とするのは違和感があります。そのため、例文中のmostは強調の意味と解釈して、「特に高頻度」、あるいは単に「高頻度」として処理すると日本語として自然な形になります。
修正例
■修正例
高頻度(被験者の20%超)に報告されたTEAEは口内炎(25名[41.7%])、悪心(23名[38.3%])、疲労(16名[26.7%])、貧血(15名[25.0%])、食欲減退(15名[25.0%])及び便秘(12名[20.0%])であった。
Mostといえば最上級の印象が強く、「most=最も」と判断しがちです。冒頭で定冠詞の有無について触れましたが、theの有無にかかわらず、強調の可能性にも配慮して最上級なのか強調なのかを文脈から適切に判断する必要があります。
最後までお読みいただき有難うございました。
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